まずは注意点をチェック
故郷であっても「あの頃のまま」とは限らない
全く縁もゆかりもないような地域での転職であれば、どんな雰囲気なのか、どんな仕事があるのか、少なからず不安を覚えるはずです。しかしながら、自分が慣れ親しんだ土地へ帰ると考えると、特に困ったことは起きないだろうと安心してしまいがちです。ところが実際に帰ってみると、予想外の事態に見舞われることがあるようです。
どんな場所であっても、時代によって状況は変わっていきます。久しぶりに遊びに帰った地元で、馴染みの店がなくなっていたり新しい道路ができていたりと、変化を感じたことのある人もいるはずです。たとえ離れていた期間が数年であっても、新しい土地でゼロから始めるという認識を持つことが必要です。
また都会での感覚に慣れていると、いざ地元で働こうとしたときにその求人の少なさや仕事内容の違いに戸惑う可能性は大きいです。長引く転職活動でどんどん貯金を使ってしまい、生活が苦しくなってしまうという事態を避けるため、月にどのくらいの生活費が必要であり何か月分を用意しておけるのか、といったシミュレーションをしておくことも必要です。
どんな仕事がどの程度あるのかを入念にチェックしておく
例えば元々プログラマーとして働いていて、Uターン後も同じ仕事をしようと考えた時には、地方でのその求人の少なさに落胆してしまうかもしれません。都会では専門性の高い仕事がたくさんあり、各分野ごとに会社があることも全く珍しくありませんが、地方では様々な仕事を包括的に行っている場合が多いのです。プログラマーとして働きたくても、まとめてIT会社という具合で募集を行っているケースが多く、IT実務だけでなくマーケティングや営業なども一緒に行わなければならないのです。
専門性を突き詰めるという点では可能性を狭めてしまうかもしれませんが、もう一度自分の仕事を広い視点から見ることができるというメリットもあるので、仕事について視野を広げて考えてみる姿勢が必要となるでしょう。
新しい生活を順調にスタートさせるために、Uターンを考え始めた時点から該当地域の求人情報をこまめに確認しておくことをおすすめします。ホームページや求人サイトの情報だけではわからないことも多いので、直接電話をかけて業務の説明を受けたり、その地域に住む友人などに話を聞いたりすることも必要です。そうすることで、自分ひとりでは考えもしなかったような、その地域ならではの魅力的な仕事に出会うこともあるかもしれません。
家族のフォローは大切に
単身者であれば自分の生活のことだけを心配すれば良いのですが、配偶者や子どもがいる場合にはしっかりとケアする必要があります。自分にとっては慣れ親しんだ土地でも、家族にとっては未知の場所です。友達も知り合いもいない環境で、少なからずストレスを感じることになるでしょう。
Uターンの目的は様々あると思いますが、家庭に問題がなく幸せに過ごせるという基盤がしっかりしていなければ、他のどんな目的が達成できたとしても、そこに意味はなくなってしまうのではないでしょうか。自ら積極的に話を聞くようにし、少しでも不安を取り除いてあげられるよう努力しましょう。