地域別のUターン転職事情
人口規模によって環境が違うことに留意する
東京などの大都市から地元に戻って転職する「Uターン転職」についてお話ししてきましたが、この「地元」がどの程度の人口規模なのかによってその状況は大きく変わってきます。例えば札幌、大阪、名古屋、福岡など地方の大都市であれば、東京に比べて総数は減ってしまいますがほぼ同じ仕事内容の求人を探すことができます。生活の利便性も高いので、これと言って大きな問題はないはずです。
しかしそれより人口の少ない地域では、その数に応じて求人の数が減っていくばかりでなく仕事内容にも限りが出てくるため、一般的な求人サイトだけで転職先の情報を集めるのは難しいでしょう。都会と田舎のちょうど中間といったイメージの人口10万~数十万人くらいの都市では、転職エージェントを利用して非公開求人を紹介してもらうのが良いかもしれません。また、交通機関も本数が少なかったり、目的のものが売っている店が遠いなど、車の必要性を感じることもあるでしょう。
人口数万人以下の市町村では、車が必須になってきます。日常生活に必要なものを買うコンビニやスーパーも、徒歩で行くには辛い距離にある可能性が高いです。こういった環境では、求人数はさらに減り、職種も医療・介護系や地場産業に偏ってきます。一般の求人サイトを利用するよりも、地域密着型の転職エージェントやハローワーク、地元での人脈を活かした転職活動が必要になるのです。
転職前に調べておきたい地域の情報
上記のように地域の規模によって求人数や仕事の内容が変わってくることを踏まえて、状況に合った転職活動の方法を選ぶことが重要です。自分がUターンする地域ではどんな仕事があるのか、希望に合った求人がありそうか、しっかり確認していくつかの方法を併用するのも良いでしょう。
また、各自治体でUターン転職をサポートする体制を持っている場合がありますので、こちらも事前に調べておくのがおすすめです。例えば北海道では、道外から専門的なスキルや知識を持った人の転職をサポートする「北海道プロフェッショナル人材センター」が設けられていたり、新潟県糸魚川市では就職時に必要な資金を低金利で借りられる「ふるさと就職資金貸付制度」が用意されています。その他にも指定の企業に就職が決まると転職準備金をもらうことができたり、一定の条件を満たせば移住者へ奨励金が交付される制度や住居のあっせんを行ってくれる地域もあるので、よく調べて賢く利用するようにしましょう。